去る5月11日土曜日。
本州では桜も咲き終わる頃に未だ開花宣言のされない札幌は今にも雪が降りそうな大寒波のような雨の中で、第37回全日本少年サッカー大会の札幌ブロック予選が行なわれました。
長期離脱の主力6年生が復帰できず残念でしたが、登録選手全員でこの予選に
臨みました。私達のブロックは今大会でも最激戦区と呼び声の高いC,Dブロック、相手も会場校である平岡中央Aチームとの対戦でした。骨折から復帰の主将はわずか試合復帰8日目で公式戦と、決してベストコンディションではなかったかもしれませんが、選手は序盤から少しづつ平岡中央ゴールを目指します。
前半8分、絶対的エースの右サイド突破から華麗なミドルで先制。このまま波に乗るかと思った直後の10分、味方選手を援護しようとマッチアップのプレー中にファウルの宣告。そのすぐ後の行為が直接的要因として、第4種(小学生、少年)では極めて珍しく有り得ない一発退場(レッドカード)を提示されてしまいました。8人制では補充が行なえる為欠員のままの試合となるわけではありませんでしたが、精神的支柱を奪われた代償は非常に大きなダメージを受けました。
しかしながら、今年のチームのすばらしさ、そして底力を見せられるのですが、日頃口数の少ない選手が大声を張り上げて奮起し、見た事ないようなフェイントで相手を翻弄するなでしこなど、誰もが退場した彼の為だけに奮闘した試合内容となり、後半も勝利を決定付けた追加点を奪って見事公式戦初勝利を収めることができました。翌12日(日)はコンサドーレ東雁来グラウンド。処分を受けエースは規定により1試合出場停止。苦しいままの状況で2回戦のJSN戦を迎えることになりました。ここでも、口々に、彼のためにと動く献身的な仲間への姿勢は心を打たれました。「絶対○○をピッチに戻すぞっ!オウッ!!」といういつも言わないセリフつきの円陣からのスタートは、前半0−0に凌ぎ、そして後半立ち上がりまだ試合に入りきれない時間帯に完全に右から崩されて振り切られ、ついに先制点を許します。
時間的にも厳しく、試合の進み具合からもこう着状態が続く中、最後まで彼のピンチヒッターを務めたテクニシャン9番が、会場中をどよめかせるほどの芸術的ループで相手GKの一瞬のスキを見逃さず値千金の同点弾をゲット。
勝敗はPK戦へと持ち込まれました。
PK戦は運でありサッカーではないと言いますが、まさしくその言葉通りでした。なでしこの決勝のようにはいかず、結果1-2で惜しくも敗戦となりました。
挨拶終了後、主審がエースへ近寄り、フェアプレイの精神であるグリーンカードの提示をして頂き、温かなお言葉を頂戴しました。そしてチームにも同様に、グリーンカードを提示して頂きました。
同じ有資格者として、そして人間として、プレーヤーとして、指導者として、明らかな反スポーツ行為に対してのレフェリングは非常に厳しく、また重要な要素を持つ大事な場面でもありますが、逆に大きな過ちからどう育てていくかを見つめる大事な機会、つまり育成の場であると考えています。その主旨、観点から言えば、絶対的に育成指導を優先した場合の対応として、赤が相応だったのか、黄が相応だったのか賛否両論ですが、直後から決定的な映像での確認など行なっても、主審の判断された項目については決定的にこれだと確認できるものはありませんでしたが、そういうことを乗り越えて彼に大きくなってほしいという願いを、2回戦の主審には温かく包んでいただいたと解釈しています。
創部以来、外サッカーでは初の勝利、そして退場、PK、グリーンカードと、盛りだくさんの内容でしたが、率直に、試合に勝って号泣し、試合に負けて号泣した彼らの姿は本当にすばらしく、見ている人も、やっている人も楽しませて、一喜一憂にあふれたすばらしいチームだと感じました。
この両日、本当に多数の応援、ありがとうございました。
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